無量院客殿
無量院客殿
設計コンセプト
- 温故知新
無量院客殿新築工事は、ご住職の構法など技術は最新のものを取入れ、その中に本物古い物の良さを取入れたい、という言わば“温故知新”というコンセプトからこのプロジェクトは始まった。 - 玄関ホール:オブジェ(寺院建築としてのポテンシャル)
客殿竣工後に始まる、本堂建築工事のため使用する木材が数年前から奈良県天理の佐藤木材に眠っている。そのメインの材料である檜芯去材(φ1.3尺)を、ご住職より1本使用して構わないとのこととなる。しかし木質パネル工法には当然柱梁など存在しない。・・・・
現在、玄関ホール正面脇にオブジェのように、この檜芯去材は配されている。玄関ホールの大空間を引き締め精神を浄化させるだけでなく、寺院建築としてのポテンシャルを高めている。 - サロン&水屋:リノベーション
客殿新築工事に際し、50年役宅として使用された庫裡も建替えることとなる。今までの住まいには何かと思い入れがある訳で、ご住職より物不足の頃に宮大工が建てた庫裡の床の間材を再生して欲しい、という要望が出る。床柱、棚板、地板、など使えそうなものを解体前に運び出し、じっくり吟味する。
・・・・この客殿にはサロンという檀家が中庭を見ながらくつろげる場所がある。そこに床柱をH=2.250にカットしガラスの棚を付けてオブジェとして再生させた。このオブジェは客殿を訪れる人々にさわられ磨かれながら、これからもずっと無量院を見守ることでしょう。又、この場所に配することで、奥にある貴賓室に一般の人は入っていけない空間という雰囲気をかもしだしている。棚板、地板、などはなるべく歩留まり良く裂いてもらい、水屋の腰板、簾の子、通し板、二重棚、として蘇らせた。
PHOTO
外観全景
エントランス
玄関ホール
オブジェ:檜芯去材
玄関ホールより
2階ホールより
大広間置床
大広間
水屋:リノベーション
サロン:床柱の再生
貴賓室廊下
貴賓室